歯周ポケット・出血・歯を支える骨を調べる

歯周病の検査では、歯ぐきの見た目だけでなく、歯周ポケットの深さ、出血の有無、歯の揺れ、歯を支える骨の状態などを確認します。複数の検査結果を組み合わせることで、歯周病の有無や進行度を判断し、必要な治療を考えます。ここでは、一般的な歯周病検査で何を調べるのか、数値の読み方、検査時の痛み、治療後にもう一度検査を行う理由を説明します。

  

歯周病は、見た目だけでは分からない部分を調べます

歯ぐきがきれいに見えても、その内側のポケットや骨まで健康とは限りません。歯周炎は痛みが目立たないまま進むこともあるため、「痛いところがない」というお話だけでは状態を判断できません。反対に、歯ぐきから血が出る場合でも、骨が減っているとは限りません。

検査の目的は、歯周病があるかどうかに加え、どの歯のどの部分に問題があるのかを把握することです。同じ患者さんでも、清掃しにくい奥歯と前歯では必要な対応が異なることがあります。治療前の状態を記録しておくと、後で「どこが改善し、何が残っているか」を比較できます。

診察では症状やお口の状態に合わせて、必要な検査を選びます。このページにある全ての検査を、初回に一律で行うという意味ではありません。

問診とお口の観察|症状・生活習慣・清掃状態を確認

まず、出血や腫れに気づいた時期、痛みの場所、歯が揺れる感じがあるかなどを確認します。これまで歯周病といわれたことがあるか、治療を中断したことがあるかといった経過も、現在の状態を理解する手がかりになります。「最近急に気になり始めた」という場合も、その前の変化を思い出せる範囲でお伝えください。

喫煙習慣、糖尿病などの治療状況、服用中のお薬、アレルギーも診療に必要な情報です。お薬手帳など、内容を確認できるものがあればご用意ください。薬をご自身の判断で中止する必要はありません。

プラークと歯石、歯ぐきの状態を調べます

歯ぐきの赤みや腫れ、歯垢・歯石が付いている場所、歯並びや詰め物の周囲の磨きにくさなどを観察します。必要に応じて染め出しを用い、プラークが残った部分を分かりやすくすることもあります。磨き残しの記録は、歯磨きを採点するためというより、ご自身のケアで改善できる場所を見つけるために役立ちます。

歯周ポケット検査|深さと出血を測ります

プローブという細い目盛り付きの器具を歯と歯ぐきの間にそっと入れ、溝の深さを測ります。これをプロービングといいます。歯の周囲はどこでも同じ深さとは限らないため、必要な範囲で複数の位置を調べ、問題のある場所を記録します。

プローブを用いて歯と歯ぐきの間の深さを測る歯周ポケット検査の説明図  
歯周ポケットの深さを測り、同時に出血や膿の有無を確認します。

歯周ポケットの数値だけで重症度は決まりません

一般に健康な歯ぐきでは溝が浅く、深い部位がある場合は注意して調べます。ただし、歯ぐきが腫れたことで深く測れる場合もあります。また、歯ぐきが下がっていると、骨や付着が失われていても数値がそれほど深くならないことがあります。

例えば「4mm」といわれても、その数字だけで骨の減少量や抜歯の必要性までは分かりません。測った場所の出血、歯ぐきの位置、レントゲンなどと照らし合わせます。数値を聞く際には、どの歯のどの部分なのかも一緒に確認すると、清掃時に気をつける場所が分かりやすくなります。

BOP|検査時の出血は炎症を知る手がかりです

プローブで調べた際に出血するかどうかを記録するのが、BOP(プロービング時の出血)です。炎症のある歯ぐきでは、軽い刺激でも出血することがあります。出血部位の分布や治療後の変化を追うことで、炎症がどの程度残っているかを評価します。

出血があることだけで重度とはいえず、出血がないことだけで歯周病を完全に否定することもできません。喫煙の影響などで出血が分かりにくい場合もあり、ほかの検査結果と合わせて判断します。

歯肉退縮と付着の喪失も確認します

歯ぐきがどこまで下がっているかを確認し、歯の決まった位置を基準として、歯を支える付着がどれほど失われているかを評価します。これを臨床的アタッチメントレベルなどと呼びます。現在のポケットの深さと、これまでに失われた支持組織の量を区別して考えるための情報です。

歯の揺れ・かみ合わせ・歯根の分かれ目の検査

歯の動揺度の検査では、器具を使って歯がどの方向に、どの程度動くのかを確認します。歯周炎による支えの減少のほか、かみ合わせの負担なども揺れに関わるため、歯の揺れだけで原因を決めません。かむときの接触や歯の移動も、お口全体の状態を考えるうえで参考になります。

複数の根を持つ奥歯では、根が分かれる部分にまで病変が及んでいないかを調べることもあります。この部分の問題は「根分岐部病変」と呼ばれ、清掃の難しさや治療方針に関わります。表側から見えにくい部分も含めて確認することで、歯ごとの課題を把握します。

レントゲン・口腔内写真|骨の状態と見た目を記録

レントゲン検査では、歯ぐきに隠れている歯槽骨の高さや減り方、歯の根の状態などを調べます。お口全体を広く確認する撮影と、部分的に詳しく確認する撮影では得意な範囲が異なります。必要な情報に応じて撮影方法や範囲を選びます。

歯や歯を支える骨の状態を確認するレントゲン検査の説明画像  
レントゲンは、歯ぐきの外からは見えない骨の状態を調べるために用います。

レントゲンだけで歯ぐきの炎症の全てが分かるわけではないため、ポケット検査などとの組み合わせが必要です。口腔内写真は、歯ぐきの色や形、歯並びなどを記録し、治療前後の比較や説明に役立てます。写真とレントゲンは、異なる情報を記録する検査です。

CTや細菌検査は、全ての歯周病患者さんに必須ではありません。追加の情報が治療判断に必要かどうかを考えて選択します。細菌の有無や画像だけで、歯周病の進行度や治療法が全て決まるものでもありません。

検査結果から治療計画へ|治療後は再評価を行います

検査結果をもとに、歯ぐきだけの炎症か、歯を支える組織にも影響が及んでいるかを判断します。さらに、炎症がある場所、清掃しにくい場所、保存が難しい可能性のある歯などを整理し、処置の順番と日常のケアを考えます。進行度については歯周病の進行で解説しています。

歯磨きの改善や歯石除去などを行った後は、歯ぐきの反応を確認するために再評価を行います。ポケットの深さや出血、清掃状態などを前の記録と比べ、追加治療が必要か、安定した状態を維持する段階へ進めるかを判断します。同じ検査を繰り返すのは、治療の効果と残った問題を確かめるためです。

結果の説明では「今いちばん気をつける場所」「自宅で変えるケア」「次に確認する内容」を聞いてみましょう。治療の具体的な流れは歯周病の治療方法、安定後の管理は歯周病の治療後をご覧ください。

歯周病の検査についてよくある質問

歯周ポケットの検査は痛いですか?

歯ぐきに炎症がある場合などは、チクッとした痛みや違和感が出ることがあります。強い痛みを我慢せず、その場でお知らせください。状態に合わせて、進め方を相談することが大切です。

レントゲンだけで歯周病は分かりますか?

骨の状態を調べるために役立ちますが、歯ぐきの出血やポケットの深さなどは別の検査が必要です。画像に写る情報と実際の診察結果を合わせて判断します。

検査を受ける前に、特別な準備は必要ですか?

普段どおりの歯磨きをして、気になる症状や過去の治療歴をお伝えください。服用中のお薬が分かる資料があると、問診がスムーズです。通院中の病気や妊娠の可能性、検査への不安なども診察前にご相談ください。

深谷市で歯周病の検査をご検討の方へ

スマイル歯科クリニックへ、歯ぐきの出血や腫れ、歯のぐらつきなどのお悩みをご相談ください。症状がなくても、以前歯周病を指摘された方や、長く検査を受けていない方は、現在の状態を確認するきっかけにしましょう。医院の案内は歯周病の治療の総合案内アクセスに掲載しています。

Web仮予約は初診の方が対象で、医院からの確認連絡後に予約が確定します。再診・急患の方、院長による治療をご希望の方は、お電話でお問い合わせください。

参考資料:日本歯周病学会監修ペリオブック「歯周病の検査や歯科ドックがなぜ重要?」、日本歯周病学会「歯周病の治療 Q&A」「歯周治療のガイドライン2022」、日本歯周病学会会誌「歯周炎の診断と予後に関する基礎知識