ボツリヌス治療とは
「ボツリヌス治療(いわゆるボトックス)」は、美容領域だけでなく、近年では歯科医療でも広く活用されています。特に、歯ぎしり・食いしばり、顎関節症、ガミースマイルなどに対して、筋肉の過剰な緊張を抑制することで症状を緩和する、低侵襲で効果的な治療法です。
ボツリヌス治療とは
ボツリヌストキシンの働き
ボツリヌス治療とは、ボツリヌストキシンという神経伝達物質の放出を抑制するタンパク質を、特定の筋肉に注射する治療法です。これにより筋肉の過緊張が緩和され、様々な症状の改善が期待されます。
歯科領域での主な適応
1. 歯ぎしり・食いしばり
過剰な咬筋の緊張により、歯の摩耗や顎の痛み、頭痛を引き起こす歯ぎしり・食いしばりに対して、ボツリヌス治療は有効です。筋肉の活動を和らげることで、日常生活への負担を軽減します。
2. 顎関節症
咀嚼筋の異常緊張による顎関節症の症状(開口障害・関節音・顎の痛み)に対し、咬筋・側頭筋などに注射することで、顎の可動域や痛みの改善が見込まれます。
3. ガミースマイル
笑った時に歯茎が大きく露出する「ガミースマイル」は、上唇を過度に引き上げる筋肉(上唇挙筋群)の働きを抑えることで、見た目の改善が可能です。
4. その他の応用
・咬筋肥大の改善(エラ張りの軽減)
・咬合力の調整(矯正治療中の補助)
・スポーツマウスピース装着者への応用 など
治療の流れ
- 診断・カウンセリング
- 適応部位の確認と施術計画
- ボツリヌス製剤の注射(5〜10分程度)
- 定期フォローアップ
効果の持続と副作用
効果の持続期間
通常は注射後2〜3日で効果が現れ、3〜6ヶ月ほど持続します。継続治療により、筋緊張の学習的抑制も期待できます。
考えられる副作用
- 注射部位の腫れ・内出血
- 違和感・咀嚼力の一時的低下
- まれに左右差や過矯正(過度な筋力抑制)
費用について
ボツリヌス治療は自由診療です。当院では明確な費用説明と同意の上で治療を行います。費用の目安は1部位●●円〜となります。
当院の体制
- 医師による個別診断と丁寧な説明
- 厚労省承認の安全な製剤のみを使用
- 症状に応じた最適な注入量の設定
- 術後フォロー・再調整の対応体制あり